「実家が隣の家と壁がつながっているけれど、このまま売れるのだろうか?」
長屋とも呼ばれる「連棟(れんとう)住宅」の売却では、こうした不安を抱える方が少なくありません。
連棟住宅は一般的な戸建てとは異なり、売却を難しくさせる独自のハードルが存在します。
しかし、知識と手順を知れば、売却することは十分に可能です。
本記事では、連棟住宅が売れにくい理由から、スムーズに手放すための具体的な方法までわかりやすく解説します。
連棟住宅(長屋)とは

連棟住宅とは、複数の住戸が横につながり、隣家と壁を共有している建物のことです。
一見、一戸建てが並んでいるように見えますが、構造上は一つの大きな建物になっています。
建築基準法上の「長屋(ながや)」と呼ばれることも多く、切り離して単独で建て直すことが難しいという特徴があります。
連棟住宅は、各戸の敷地が一部屋ごとに区切られている「テラスハウス」タイプと、建物以外の庭・駐車場などの敷地を他の住人と共有する「タウンハウス」タイプの2種類に分けられます。
連棟住宅のメリット・デメリット
連棟住宅のおもなメリットは以下のとおりです。
- 土地を有効活用できる: 狭い土地や細長い土地を有効に使える。
- 価格・維持費が安い: 一般的な一戸建てに比べ、購入価格や固定資産税が安く抑えられていることが多い
- 気密性・断熱性が高い: 隣家と壁を共有しているため、外気に触れる面が少なく、冷暖房効率が良い傾向。
- 一戸建てに近い住み心地: マンションの共用部分のような規約が少なく、一戸建て感覚で住める。
一方、以下のようなデメリットもあります。
- プライバシーの課題: 隣家と壁が接しているため、生活音や振動が伝わりやすく、プライバシーが損なわれやすい。
- 自由な建て替えができない: 構造上、自分の持ち分だけを切り離して建て直すことが難しく、隣人の同意や費用の調整が必要。
- デザインや間取りの制限: 外観・内部構造が統一されるため、理想の間取りやデザインにしにくい。
連棟住宅の売却がむずかしい理由

それには大きく4つの理由があります。
1.住宅ローンが組みづらい
銀行などの金融機関は、不動産の「担保価値」を厳しく審査します。
連棟住宅は、以下のような理由で担保評価が低くなりやすいのです。
- 単独での再建築が難しい
- 敷地境界が曖昧なことが多い
2.築年数が経過した建物が多い
連棟住宅の多くは、昭和の時代に建てられた古い物件です。
老朽化が進んでいることが多く、購入後の修繕費用を気にする買い手が多いため、敬遠されがちです。
現行の建築基準法に適合していない場合は、さらに売却が難しくなります。
3.何かと隣家との調整が必要になる
連棟住宅は隣家と壁がつながっているため、以下のような場合に隣の住人の承諾が必要になります。
- 外壁の補修
- 屋根の修理
- 解体・建て替え
この「隣人との権利関係の複雑さ」が、買い手にとって大きな心理的ハードルになります。
4.連結部分の切り離しが難しい
自分の持ち分だけを切り離して解体しようとすると、残された隣家の壁が剥き出しになり、建物の強度が下がるリスクがあります。
工事費用も高額になるため、現実的には切り離して売ることが非常に困難です。
また、連棟部分を切り離すことで、接道義務を満たさなくなり、再建築不可物件となるケースがあります。
その場合、新築・増改築・建て替えができなくなるため、慎重に判断する必要があります。
接道義務
建築基準法で定められた「建物を建てるためのルール」です。 原則、幅4メートル以上の道路に、敷地が2メートル以上接していなければなりません。連棟住宅の売却方法

「売るのが難しい」と言われる連棟住宅ですが、決して売れないわけではありません。
主な3つの方法をご紹介します。
1.不動産会社に仲介を依頼する
まず、不動産会社に仲介を依頼する方法が考えられます。
業者の直接買取よりも高く売れる可能性が高くなります。
ただし、売却確率を上げるために、事前に家を綺麗にするなどの費用負担が発生する可能性もあります。
仲介を依頼する場合は、単に大手の会社を選ぶのではなく「古い長屋や連棟住宅の仲介実績が豊富」な業者を探しましょう。
2.不動産会社に直接買い取ってもらう
不動産会社に直接買い取ってもらう方法があります。
仲介に比べて価格相場は下がる傾向がありますが、隣人との交渉や建物の不具合も含めて現状のまま引き取ってくれるため、早く確実に手放したい場合には最適です。
3.隣家の所有者に購入を交渉する
実現するかはともかく、隣に住んでいる方に声をかける方法もあります。
隣人からすると、隣の住戸を買い取ることで、壁を取り払って一軒の大きな家にリフォームしたり、将来的に建物全体を解体して、資産価値の高い土地として活用したりといった選択肢を検討できます。
また、隣人が売主の家を購入することで再建築可能になる場合は、購入を前向きに検討してくれるかもしれません。
連棟住宅の売却に関するよくある質問

連棟住宅の売却に関するよくある質問を紹介します。
Q. 連棟住宅の切り離しに費用はかかる?
はい、かかります。
自分の側を解体する費用だけでなく、切り離した後の隣家の壁を補修するための費用が必要です。
さらに構造上の補強が必要になる場合もあり、通常の一戸建て解体より割高になります。
トラブルを避けるため、事前に他の住人の同意を取る必要もあります。
Q. 連棟住宅はリフォームできる?
内装のリフォームは基本的に自由です。
ただし、柱・壁・屋根など、隣家と共有している部分に関わる工事については、あらかじめ隣人の承諾を得るのがマナーであり、契約内容によっては制限されることもあります。
Q. 隣人が「売却も解体も反対」と言っている場合は?
その状態でも、現状のままであれば売却が可能です。
隣人の同意がなくても、自分の持ち分(所有権)を売ること自体は法律で認められています。
ただし、買い手が「自由に建て替えられない」というリスクを負うため、価格は下がります。
Q. 「再建築不可」と言われました。もう売れませんか?
難易度は高いですが、売却は可能です。
接道義務を満たしていない「再建築不可」の連棟住宅は、確かに銀行ローンが使えず売りづらいですが、リノベーション物件としての需要や、現金で購入する投資家、専門の買取業者など、買い手は存在します。
諦める前に、特殊物件に強い会社へ査定を依頼してみましょう。
【連棟の買取実績あります】ご売却相談は当社まで!
当社は、田舎 / 郊外・再建築不可・事故物件・築古など、一般的に不動産会社でも売れにくい物件でも積極的に買取をおこなっています。
過去には、長期間空き家状態だった連棟物件の売買実績もございます。
当社は、家の状態が悪くても、どんな立地でも空き家買取のご相談を承ります。
無理な営業をかけることはございませんので、安心してまずはお気軽にご相談ください!
まとめ
連棟住宅の売却は、壁を共有しているという構造上、どうしても権利関係やローンの問題がつきまといます。
しかし、隣人への打診や、専門業者への買取依頼など、正しい手順を踏めば納得のいく形で手放すことは十分可能です。
「自分の家はどう売るのがベストか?」と迷ったら、まずは連棟住宅の取り扱い実績が豊富な不動産会社に相談し、現状を正確に把握することから始めてみましょう。
一人で悩まずに、お気軽に相談してな~



