空き家の維持費はどれくらい?内訳や管理しないリスクも解説

空き家の維持費はどれくらい?内訳や管理しないリスクも解説 管理・処分にかかる費用

活用していない空き家でも、税金や管理・修繕に最低限の維持費がかかります。
相続する予定の空き家にどれくらいの維持費がかかるのか、心配されている方も多いでしょう。

本記事では空き家に掛かる維持費の内容と、金額の目安について解説します。
維持管理費用をかけずに放置するリスクについても詳しく説明しますので、ぜひ参考にしてください。

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空き家の維持費にはどんなものがある?

空き家の維持費にはどんなものがある?

空き家を維持するためには、税金や保険料などの固定費と、建物の修繕や草刈りなどの管理費が発生します。
ここでは、主な6つの維持費をご紹介します。それぞれ詳しくみていきましょう。

維持費1.固定資産税・都市計画税

人が居住していない空き家でも、登記簿に記載されている家屋には固定資産税都市計画税が掛かります。
これらの税金は、その年の1月1日に土地や建物を登記上所有している人に対して請求されます。

例えば大阪市では、土地の固定資産税として「課税標準額 × 税率1.4%」、家屋の固定資産税として「課税台帳に登録されている価格 × 税率1.4%」がかかります。

加えて、市街化区域内の土地や家屋を所有している場合は、それぞれ0.3%の都市計画税が加算されて請求されます。

(※市街化区域:都市計画法において、住宅・商業・道路・公園などを優先的に整備するよう定められた区域のこと。)

維持費2.火災保険料

管理の行き届かない空き家は、放火の危険が一般の住宅より高いといわれます。
全国で発生する火災の原因の約10%は放火によるものとされていますので、万が一のリスクに備えて火災保険に入っておくべきでしょう。

もともと加入していた火災保険が、空き家を対象としていない可能性があります。空き家を所有することになった場合は、いちど保険会社へ確認することをお勧めします。

維持費3.光熱費

空き家の電気や水道、ガスなどのライフラインは、契約が残っていれば使用していなくても基本料金がかかります。
具清掃などの維持管理に必要な電気や水道の契約を維持しておく場合、基本料金だけでも年間で数万円の固定費がかかります。

維持費4.建物修繕費

屋根や外壁が劣化すると、表面が朽ちるだけでなく、そこから雨漏りが発生して建物内部を腐食させることもあります。そのため、定期的な塗り替えなどのメンテナンスは必須です。
また、構造材を喰い荒らすシロアリの被害を防ぐための薬品防除なども必要で、建物を維持するための最低限の修繕費用は必要でしょう。

維持費5.庭木の剪定や草刈費

庭にある樹木の枝の越境や雑草の繁茂、落ち葉の飛散等は近隣クレームの原因になります。
放置すると蚊やハエなどの害虫も発生しやすくなるだけでなく、ねずみや野良猫が集まりやすくなってしまいます。

見た目でも放置されていることが明らかな空き家は、不法侵入やゴミの不法投棄の原因となるので、最低限の管理は必要です。

維持費6.交通費

相続した空き家が自宅の近所にあるとは限りません。相続人が車や電車で1時間以上掛かる遠隔地に居住しているケースは約3割とされています。
自ら定期的な維持管理に出向く場合は、交通費も軽視できない金額になるでしょう。

自治体や民間業者による見回りサービスもありますが、当然費用が掛かります。 トラブルが発生した場合、管理委託先が責任を負うものでもありませんので、年に数回は空き家の所有者が実際に足を運ぶべきでしょう。

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空き家の維持費を具体的に算出

空き家の維持費を具体的に算出

前章では空き家の維持に最低限かかる費用の内訳について説明しました。 ここでは、具体的なケースで年間の維持費を算出してみます。

空き家の年間概算維持費を、以下の条件で仮定して試算
  • 土地200㎡(約60坪)
  • 建物130㎡(約40坪)
  • 土地評価額1,800万円
  • 建物評価額1,000万円
維持費の種類 内訳 維持費
固定資産税・
都市計画税
土地 1,800万円 ×(1.4 + 0.3)% × 1/6 5万円
建物 1,000万円 × (1.4 + 0.3)% 17万円
光熱費(電気) 1,500円 × 12カ月 2万円
光熱費(水道) 1,500円 × 12カ月 2万円
火災保険料 年間の保険料 4万円
建物修繕費 外壁のメンテナンスを行う場合の概算 10万円
庭木の剪定や草刈費 業者委託年2回を想定 5万円
交通費 2月に1回訪問を想定 3万円
合計 48万円

このように、居住していなくても年間48万円も掛かる試算になります。月平均で4万円の計算になり、けっして無視できない金額です。

知らないと大きなリスクに?「特定空き家」「管理不全空き家」の指定とは?

知らないと大きなリスクに?「特定空き家」「管理不全空き家」の指定とは?

全国的に管理の行き届かない空き家が急増していることを受けて、政府は「特定空き家」「管理不全空き家」の指定制度を設けました。

罰則もある厳しい法律ですので、空き家を所有する方、あるいは今後空き家を相続する可能性がある方は法律の内容について理解しておくべきです。

「特定空き家」とは?

2015年に施行された「空家等対策特別措置法」に基づき、「特定空家等」の指定制度が新設されました。 これは、以下のような状態にある空家を自治体が指定する制度です。

  • 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
  • 著しく衛生上有害となるおそれのある状態。
  • 適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
  • その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

特定空家等に対して、自治体は伐採や清掃の指導・命令を行うことが可能です。それだけでなく、行政代執行の方法によって建物の強制解体も可能になります。

「特定空き家」に指定されると最大50万円の罰金
特定空家等に指定され自治体の指導や命令に対して必要な措置を取らないと、固定資産税の特例が受けられなくなるうえ、最大50万円の罰金を課される可能性があります。

2023年12月からは「管理不全空き家」の指定も開始

2023年12月からは「管理不全空家等」を指定する制度が新設されました。
管理不全空き家とは「いまは著しく状態が悪くないが、放置すれば特定空き家になるおそれがある」空き家のことです。

自治体によって空き家が管理不全空き家に指定されると、特定空き家と同様に固定資産税の住宅用地特例が除外されます。

この制度の新設により、自治体はさまざまな空き家へ指導を行うことが可能になりました。特定空家等・管理不全空家等に指定されないように、少なくとも外観上の維持管理はしっかりと行うべきです。

維持費がかかる空き家を手放す方法

維持費がかかる空き家を手放す方法

維持費の掛かる空き家を手放す場合は、次のような選択肢があります。

  • 不動産業者に依頼
  • 空き家バンクに登録
  • 個人間売買のマッチングサイトを利用
  • 空き家買取専門業者に売却

それぞれの方法にメリット・デメリットがあります。もっともスピーディで面倒な手続きが不要なのは、空き家買取専門業者に依頼することです。

空き家の維持費にお悩みの方は、仲介手数料がかからず現状での買い取りが可能な空き家買取サービスを利用してはいかがでしょうか?

まとめ

本記事のまとめです。

  • 空き家を普段は使っていなくても、安くはない維持費がかかる
  • 維持費がかかるからといって放置していると、特定空き家や管理不全空き家に指定されるリスクが高まる
  • 活用する予定がない場合は、維持費がかかる空き家を手放す選択肢もある

思い入れのある実家を手放す決断は簡単ではありませんが、空き家の維持費でお悩みの場合は手放す方法を模索してみてはいかがでしょうか。

空き家の維持費にお悩みの方は当社へご相談ください

お困り空き家買取くんでは、関西エリアを中心に空き家の買取を積極的に行っております。

維持費でお悩みの空き家についてもご相談ください。
当社は空き家を直接買取いたしますので、家屋に傷みがある場合や、家財が残っている場合など、一般的に売却が難しい物件のご相談も承ります。

「そもそも空き家をどう扱っていいかわからない」というご相談も大歓迎です。無理な営業はいたしませんので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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