誰も住んでいない空き家であっても、固定資産税などの税金や建物の点検・修繕にかかる維持費が毎年発生します。
これから実家などを相続する予定がある方にとって「年間でどれくらいの出費が続くのか」「自分たちで管理しきれるのか」という不安は尽きないものです。
この記事では、空き家にかかる維持費や、具体的な費用の内訳と試算シミュレーションを解説します。
無理のない維持管理の方法や、将来的な負担を減らすための選択肢も整理していますので、ご家族で方針を話し合う際の参考としてお役立てください。
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空き家の維持費にはどんなものがある?

空き家を維持していくためには、所有しているだけで毎年かかる「固定費」と、建物の状態を保つための「管理・修繕費」が発生します。
把握しておきたい主な6つの維持費について、それぞれの役割と金額の目安を整理しました。
維持費1.固定資産税・都市計画税
人が住んでいない建物であっても、毎年1月1日時点の登記上の所有者に対して固定資産税および都市計画税が課税されます。
住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」が適用されるため、小規模住宅用地(200㎡以下の部分)であれば課税標準額が6分の1に軽減されています。
例えば一般的な住宅地(市街化区域内)の場合、固定資産税の標準税率1.4%、都市計画税の制限税率0.3%(自治体により異なります)を基本として、固定資産税評価額に基づき税額が算出されます。
(※市街化区域:都市計画法において、街として優先的かつ計画的に市街化を図るべきと定められた区域のこと。)
維持費2.火災保険料
人の出入りが少ない空き家は、不法侵入や放火などの被害リスクが住宅よりも高まる傾向にあります。
また、台風や大雪などで屋根瓦が飛散し、近隣の建物や通行人に怪我をさせてしまった場合の損害賠償リスクにも備えておく必要があります。
維持費3.光熱費
通水(水道管の錆びや異臭防止)や換気、室内の定期清掃を行うために、電気と水道の契約を継続しておくのが一般的です。
使用量がごくわずかであっても毎月の基本料金が発生するため、電気・水道を合わせて年間3万〜5万円前後の維持費となります(ガスは事故防止の観点からも閉栓・解約するケースが多いです)。
維持費4.建物修繕費
木造住宅は換気や定期清掃を怠ると湿気がこもり、急速に傷みが進んでしまいます。
屋根や外壁のクラック(ひび割れ)からの雨漏り、シロアリの発生を防ぐためには、数年ごとの点検や部分的な補修が必要です。
将来的に住む・貸す・売却するいずれの場合でも、資産価値を損なわないための最低限のメンテナンス費用を見込んでおく必要があります。
維持費5.庭木の剪定や草刈費
敷地内の雑草や伸びすぎた庭木は、害虫の発生や景観悪化を招くだけでなく、道路への越境や隣家との境界トラブルの原因になります。
特に春から夏にかけての雑草の成長は早く、年に1〜2回程度は草刈りや枝払いを行うのが望ましいとされています。
ご自身で作業できない場合は、シルバー人材センターや専門業者へ除草・剪定を依頼する費用(1回あたり数万円程度)を想定しておくと安心です。
維持費6.交通費
相続した空き家が遠方にある場合、定期的な巡回にかかる往復の新幹線代・高速代・ガソリン代なども年間の維持費として積み重なります。
移動時間や体調面での負担を考慮して、月々数千円〜1万円程度で委託できる「空き家巡回代行サービス」を利用される方も増えています。
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空き家の維持費を具体的に算出

実空き家を持ち続けると、トータルで年間どれくらいの出費になるのかを把握するため、一般的な戸建て住宅をモデルケースとして試算しました。
- 土地面積:200㎡(約60坪 / 小規模住宅用地 特例適用)
- 建物面積:130㎡(約40坪)
- 土地の課税標準額:1,800万円
- 建物の課税標準額:1,000万円
| 維持費の種類 | 内訳 | 維持費 | |
|---|---|---|---|
| 固定資産税・ 都市計画税 |
土地 | 1,800万円 × 1/6(特例) ×(1.4% + 0.3%) | 約5.1万円 |
| 建物 | 1,000万円 × (1.4% + 0.3%) | 17.0万円 | |
| 光熱費(電気) | 基本料金 約1,500円 × 12カ月 | 約1.8万円 | |
| 光熱費(水道) | 基本料金 約1,500円 × 12カ月 | 約1.8万円 | |
| 火災保険料 | 空き家向け火災・家財・賠償特約等の年間概算 | 約4.0万円 | |
| 建物修繕・維持点検費 | 屋根・外壁補修や防腐処理等の年間積立想定 | 約10.0万円 | |
| 庭木の剪定や草刈費 | 年1〜2回の専門業者委託を想定 | 約5.0万円 | |
| 現地確認の交通費 | 遠方からの定期巡回(年数回)を想定 | 約3.0万円 | |
| 合計 | 約47.7万円 | ||
特別なリフォーム工事を行わなくても、遠方で修繕も絡むと年間約40万〜50万円前後(月換算で約3万〜4万円)の支出が見込まれる可能性は十分あります。
「今は誰も住んでいないからお金はかからない」と考えていると、思わぬランニングコストが家計の負担になってしまうことがあります。
知らないと大きなリスクに?「特定空き家」「管理不全空き家」の指定とは?

全国的な空き家の増加に伴い、法律の改正が進んでいます。
管理が不十分な空き家に対しては、自治体からの指導や是正勧告が行われる仕組みが整えられており、所有者としての適切な対応が求められるようになっています。
「特定空き家」とは?
「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、周囲に著しい悪影響を及ぼしていると判断された空き家は「特定空家等」に指定されます。
具体的には、次のような状態が指定の目安となります。
- 倒壊など保安上著しく危険となるおそれがある状態(建物の傾き、屋根の崩落など)
- アスベスト飛散やゴミ放置による異臭など、著しく衛生上有害となるおそれがある状態
- 適切な管理が行われておらず、著しく景観を損なっている状態
- 害虫の発生や樹木の越境など、周辺の生活環境の保全を図るために放置が不適切である状態
特定空家等に指定されると、自治体から「助言・指導」「勧告」「命令」といった段階的な是正措置が求められます。
命令に違反した場合は行政代執行による強制解体が行われ、その解体費用は全額所有者へ請求されます。
自治体からの是正勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例(小規模住宅用地なら最大6分の1の減額)から除外されます。税額の負担調整措置があるため単純に6倍へ跳ね上がるわけではありませんが、土地の固定資産税負担は実質的に3〜4倍程度まで増加するケースが多いです。また、自治体の改善命令に違反した場合は最大50万円の過料が科される規定もあります。
2023年12月からは「管理不全空き家」の指定も開始
法改正により、2023年12月からは新たに「管理不全空家等」の指定枠組みが施行されました。
これは、窓ガラスの破損や雑草の繁茂など「放置すれば将来的に特定空き家になるおそれがある段階」の建物を対象とするものです。
管理不全空家等に指定され、自治体からの改善勧告を受けると、特定空き家と同様に住宅用地特例の対象から除外されます。
倒壊寸前まで状態が悪化していなくても、外観上の放置が目立つ段階で税負担が増加する可能性があるため、定期的な換気や敷地清掃などの予防的な管理が大切です。
維持費がかかる空き家を手放す方法

「遠方に住んでいて通うのが難しい」「年間の維持費をこれ以上負担し続けるのは避けたい」という場合、空き家を手放す手段としては主に次の4つがあります。
- 不動産仲介会社に依頼して一般市場で売却する
- 自治体の空き家バンクに登録して買い手を募る
- 個人間売買のマッチングプラットフォームを利用する
- 空き家専門の買取業者に直接売却する
一般的な仲介売買は市場価格で売れる可能性がある一方、建物の修繕や家財道具の撤去、解体費用を売主側が事前に持ち出す必要があるケースも少なくありません。買い手が見つかるまでの間も、維持費や税金の支払いは継続します。
一方、空き家専門の買取業者であれば、「古い建物の解体不要」「室内の家財道具もそのまま」の現状渡しで売却できるため、解体や片付けの自己資金を負担せず、維持費の負担から解放されるというメリットがあります。
まとめ
空き家の維持費に関するポイントのまとめです。
- 人が住んでいない空き家でも、税金・保険・点検費用などで年間40万〜50万円程度の維持費がかかる
- 放置して「管理不全空き家」や「特定空き家」の勧告を受けると、土地の固定資産税の減額特例が外れる
- 将来的に使う予定がない場合は、維持費の持ち出しが膨らむ前に手放すことも現実的な選択肢の一つ
生まれ育ったご実家や思い出の詰まったお住まいだからこそ、どう扱うべきか悩まれるのは当然のことです。
管理の手間や費用のバランスを見つめ直しながら、ご家族にとって一番負担の少ない方法を少しずつ検討してみてはいかがでしょうか。
空き家の維持費にお悩みの方は当社へご相談ください
お困り空き家買取くんでは、関西エリアを中心に空き家の直接買取を行っております。
「遠方にあって片付けに行けない」「雨漏りや設備の故障がある」「室内に荷物が残ったままになっている」といった状態でも、解体や大がかりな清掃を行うことなく、現状のままお引き受けが可能です。
仲介手数料もかかりませんので、余計な持ち出し費用をかけずに空き家を手放すことができます。
「まずはいくらくらいで手放せるのか知りたい」「税金や維持費の負担を相談したい」という初期段階のご相談も大歓迎です。無理な営業は一切いたしませんので、どうぞ安心してお問い合わせください。

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