空き家の片付けの費用相場は？安く抑える方法も解説

空き家となった実家の片付けは、思いがけないほど大変な作業です。
不用品の整理や処分・掃除などの工程だけでも、時間や体力的な負担が大きくなります。

今回は、空き家の片付け費用の相場を解説し、自力で行う場合と業者に依頼する場合のメリット・デメリットを比較します。
そして、それぞれのケースに合った最適な方法について説明します。

業者に依頼する場合の費用の相場

空き家の片付けを業者に依頼する場合の、費用相場は以下のようになります。

• 1R・1K：5万円から10万円
• 1DK・1LDK：10万円から20万円
• 2DK・2LDK：10万円から30万円
• 3DK・3LDK：15万円から50万円
• 4LDK以上：25万円から60万円
• 大量の荷物がある場合：要見積もり

※当社調べ。立地や家の状態によって上記より上下する可能性があります。

部屋の状況や依頼する業者によって費用が変わるため、一概に「この広さなら◯◯万円」とは言いにくく、上記のように費用の相場の幅が広くなってしまいます。
そのため、少しでも安く片付けられるよう、費用を抑えるためのポイントを抑えておきましょう。

戸建て空き家の片付け費用を決める要素

空き家になった戸建て（一軒家）の片付け費用が決まる要素は、以下のようになります。

• 片付ける荷物・家財の量
• 建物の立地や周辺の道路状況
• 買取をする品物の数
• 作業希望日や期日

基本的には家の広さと荷物の量に比例して費用が上がりますが、これら以外にも費用に影響する要素があります。

片付けにかかる費用が高くなるケース

下記の条件に該当する空き家の場合、片付け費用が高くなる傾向があります。

• 家が地方の山奥などにある
• トラックが通れる道に接道していない
• 3階建て以上
• 家が古かったり、狭かったりする

トラックで行きにくい場所や、家のそばにトラックを停められない周辺環境、大きな家具を運び出すための十分な空間がない場合などは、料金が高くなりやすいです。

片付けにかかる費用が安くなるケース

下記の条件に該当する場合、片付け費用が抑えられる傾向があります。

• 階段がない平屋
• 駐車場が家のそばに停められる

平屋のように階段作業がない場合や、トラックを停められる庭・駐車場がある場合は、作業効率が上がるため料金が安くなりやすいです。

空き家の片付けは自力でやる？業者に頼む？

空き家の片付けを自力で行えば、費用を大きく抑えられます。
しかし、多くの時間や労力を必要とするため、状況によっては業者に依頼することをおすすめします。

ここでは、自力で片付けを行う場合と、業者に依頼する場合のメリット・デメリットを比較します。

自力で片付けるメリット

• 費用を抑えられる：
  自力で片付ける場合の費用は、ゴミ袋・粗大ゴミ手数料・車両代程度でしょう。業者に依頼するよりも費用を安く抑えられます。
• 自分のペースで作業できる：
  業者に依頼すると、スケジュールに合わせて作業を進める必要があります。その点、自力なら自分のペースで納得いくまで悩みながら進められます。
• 手元に残す品物を自分で選定できる：
  自力なら、物品を処分するか残すか落ち着いて判断できます。業者に依頼する場合、コミュニケーション不足などの要因で、不用品と一緒に思い出の品が処分される可能性があります。

自力での片付けが比較的容易なケース

空き家の片付けは大変な作業ですが、以下のような方は自力でも作業を完了しやすいでしょう。

• リビング以外の部屋数が3部屋以下
• 部屋自体が小さめ
• ゴミや荷物が少ない
• 身内や友人などから3人以上の人手が確保できる

業者に片付けを依頼するメリット

• 労力を節約できる：
  荷物の片付けから不用品の処分・遺品買取まで、作業を業者に一任できるため、時間と労力を大幅に節約できます。
• 短時間で片付く：
  仕事をしながら休日に自力で掃除・片付けをする場合、数カ月単位の期間がかかるかもしれません。業者に依頼すれば、最短で当日中に終了するため、自分に負担をかけず綺麗にできます。
• ケガのリスクを抑えられる：
  自力で重い物を持って移動する場合、ケガや事故のリスクがあります。業者の場合、安全対策の訓練を受けたスタッフが、家財をカバーする布や床のマットなどの装備を用いて作業をするため低リスクです。

業者への依頼をおすすめするケース

片付けの作業量が多い場合や、時間の確保が難しい場合は、業者への依頼を検討しましょう。
具体的には、以下のような方は、費用とのバランスをみながら業者へ依頼することをおすすめします。

• 部屋数が多い（リビング以外で4部屋以上）
• 家財や荷物が多い
• 自分以外の人手が確保できない
• 費用がかかっても、早く片付けたい
• 水回りが使えない

とはいえ、業者はある程度の予算が必要です。いちど自力で取り組んでみて「これは大変だ」と感じたら業者に依頼する流れでもよいでしょう。

空き家の片付けにかかる費用を抑える方法

少しでも空き家の荷物の片付け費用を抑えるためのポイントを解説します。

できるだけ荷物の量を減らす

荷物を減らすことが、片付け費用を抑えるためには重要です。

業者の多くは、片付けにかかる費用・人数・時間・間取りを総合的に踏まえて料金を算出します。
自力でできそうな範囲だけでも片付けることで、そのぶん業者に依頼する量が減るため、費用を抑えられるでしょう。

保存するものと処分するものを分けておくだけでも効果が出やすいです。

まだ使える不用品を譲渡・売買する

「荷物の量を減らす」に通じる内容ですが、テレビ・タンス・机・冷蔵庫などの家具・家電の中で、使えそうなものは欲しい人に譲渡・売却する方法もあります。

たとえば地域掲示板サイト（ジモティーなど）では、「物品を取りに来てくれれば無料で譲ります」といった条件を付けられるため、余裕がある場合はこういったサービスの活用を検討してもよいでしょう。

複数業者から見積もりをとる

荷物の片付けを急がないのであれば、複数業者から見積もりをとることをおすすめします。

「とにかく安いところがいい」「丁寧な対応の業者がいい」など、業者選びの軸によって探し方が異なると思いますので、そういう意味でも複数業者から見積もりを取得してみましょう。

見積もりの内容も細かく出してもらう

片付け業者には、見積もりを細かい項目まで出してもらいましょう。
一見安い金額の提示でも、細やかな見積もりが作成されていない場合は、後から追加料金が発生する可能性があります。

見積もりの時点で、不安な点は遠慮せずに聞いてみましょう。そこで回答があいまいな業者は避けるべきといえます。

空き家の片付け業者を選ぶ際の注意点

片付け業者は数多く存在するため、どのように選べばよいか迷う方もいることと思います。業者を選ぶ際のポイントを解説します。

業者の許可

空き家片付け業者は、古物営業法に基づく古物商許可または、産業廃棄物処理業許可のいずれかの許可を得ている必要があります。
許可証の有無は、業者のホームページなどで確認できます。業務内容と、それに必要な許可は下記のとおりです。

業務内容	対応する許可
不用品回収	一般廃棄物収集運搬業許可
遺品整理	遺品整理士
不用品の買取	古物商許可

空き家の片付けの実績

空き家片付けの実績が豊富な業者を選びましょう。
ホームページなどで過去の施工事例を確認したり、実際に作業をしてもらった人からの口コミを参考にしたりすると良いでしょう。

見積もりを複数取る

先ほども触れましたが、片付け業者を選ぶ際は、複数の業者から見積もりを取り、比較検討しましょう。

見積もりには、作業内容・費用・スケジュールなどが詳細に記載されていることを確認してください。
最終的には費用だけでなく、業者の対応やサービスの質も考慮して依頼しましょう。

空き家を片付けずに手放す方法もある

通常、不動産の売却・賃貸をする際には、家の中の荷物を片付けておく必要があります。
しかし、空き家を片付けずに手放せる方法がありますので、ご紹介します。

空き家バンク

地方自治体が運営している空き家バンクでは、荷物や家財がそのままでも買い手が見つかる可能性があります。
たとえば、空き家を解体して新築を建てたりリフォームしたりする投資家や、自分自身でリフォームを楽しむために購入するDIY好きな人などです。

空き家の買取業者

空き家の買取事業を行う企業の中には、荷物や家財の片付けなしで買取可能な業者がいます。

これらの「買取業者」は、リフォームや解体などのノウハウを持っていたり、自社独自の販売ルートを持っていたりします。
そのため、片付けがまだの物件でも、収益性を見出すことができるのです。

全ての空き家が片付けなしで買い取れるわけではないですが、うまくいけば片付けの費用をかけずに、空き家ごと手放すことができます。

まとめ

本記事のまとめです。

• 空き家の片付け費用は、部屋数や荷物が多ければ数十万円することもある。
• 可能な範囲で、自力で片付けておくことで、業者の費用を抑えられる。
• 片付け業者を選ぶ際は、複数業者から見積もりを取得し、費用やサービス品質を総合的に考えた選定を推奨。
• 空き家を片付けずに手放せる方法もある

空き家になった実家の片付けは大変な作業ですが、費用がかかりますし、亡くなった人の思い出の品を選別したいケースもあると思います。
ご自身の状況とタイミングに合わせて、業者の活用を検討しましょう。

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