ライフスタイルの変化や、人生設計の見直しなどを考える際に、マンションから戸建てへの住み替えを検討することがあるでしょう。
この記事では、マンションから戸建てへ住み替えるメリット・タイミング・注意点などを解説します。知っておいて損はない内容ですので、ぜひ参考にしてください。
マンションから戸建てに住み替えるメリット
「今のマンションが少し手狭になった」
「子どもが生まれて生活音が気になる」
「もっと自由に空間を使いたい」
このようにさまざまな理由から、マンションから戸建てへの住み替えを検討するケースがあると思います。
マンションにはマンションの魅力がありますが、住み替えることで、戸建てならではのメリットが受けられます。
土地を所有することで得られる資産価値
マンションの場合、所有するのは部屋の「専有部分」と呼ばれる空間と、建物が建っている土地全体の「敷地権」と呼ばれる共有持分です。
戸建てなら多くの場合、建物だけでなく土地もご自身の名義で所有します。
建物は年数の経過とともに価値が下がりますが、土地の価値は比較的安定しています。
立地にもよりますが、戸建ては長期的に見て資産価値が維持されやすく、将来の世代へ資産として引き継ぐことができる可能性があります。
生活音を気にせず快適に過ごせる
マンションは上下階や隣室と壁や床、天井を共有しているため、お子さんの足音や話し声、掃除機や洗濯機などの生活音に気を遣う必要があります。
マンションから戸建てに住み替えると、建物が独立しているため、自宅の生活音が隣家に響く心配が大幅に減ります。
自宅内で過ごす際に、周囲への音を気にすることなく、よりリラックスして快適に過ごせるようになります。
自由なリフォームや建て替え
マンションは、室内のリフォームは管理規約で制限されているケースが多く、とくに玄関のドアや窓は自由に改修できません。
また、建物全体の建て替えは、区分所有者の5分の4の同意が必要となり、ハードルが高いです。
戸建てなら、建物の老朽化やライフスタイルの変化に合わせて、(建築基準法などの制限内で)間取りの変更や内装・外装のリフォームを比較的自由に行うことができます。
庭や駐車場の利用が可能
マンションでは、専用の庭がある物件は限られており、車を持っている場合も敷地内の駐車場を借りるか、近隣の月極駐車場を探すのが一般的です。
戸建てに住み替えることで、建物が建っている以外の土地を庭や駐車場としてご自身の判断で自由に使うことができます。
庭でガーデニングや家庭菜園を楽しんだり、子供の遊び場にしたりと多目的に活用でき、駐車場も自宅敷地内に確保できるため、利便性が向上します。
ペット飼育や趣味を楽しめる
マンションによっては、ペットの種類・数・大きさに制限があったり、共用部分でのルールが厳しかったりします。
また、ガーデニングやバイクなど、スペースを必要とする趣味のスペースも限られます。
戸建てに住み替えれば、マンションに比べて暮らしに関係する制約は少なくなります。
憧れの大型犬と暮らしたり、広い庭でガーデニングや家庭菜園を楽しんだり、バイク・車など屋外での趣味を満喫したりと、マンションでは難しかったライフスタイルを実現しやすくなります。
マンションから戸建てへ住み替える際の注意点
マンションから戸建てへの住み替えは、ライフスタイルの大きな変化を伴います。
自由な空間や庭といった魅力がある一方で、事前に知っておくべき注意点もいくつか存在します。
後悔のない住み替えを実現するために、以下のポイントをしっかりと確認しておきましょう。
自らセキュリティ対策する必要がある
マンションはオートロック・監視カメラ・管理人や住民の目があるため、比較的セキュリティが高いと感じる方が多いでしょう。
戸建てでは、自身でセキュリティ対策を講じる必要があります。
防犯カメラやセンサーライトの設置、窓や玄関の鍵の強化、ホームセキュリティサービスの導入などの対策を検討してみましょう。
修繕費を自ら計画して準備する必要がある
マンションの場合、管理費や修繕積立金を毎月一定額を支払う必要がありますが、修繕は管理組合が主導してくれます。
戸建てでは、そういった費用の支払いがない代わりに、劣化や故障した設備の修繕費を、自身で計画し、準備しなければなりません。
計画的な積立がなければ、突然の出費に対応できず、住まいの劣化を招くリスクがあるので注意が必要です。
自ら資金を貯める以外にも、火災保険や地震保険などに加入するなどの計画もしておきましょう。
光熱費の増加
マンションから戸建てへ住み替えると、光熱費が増加する傾向にあります。
戸建ての方が建物全体が大きく、窓やドアが多いことと、外気に接する面が多いため、冷暖房の効率が下がりやすいことが主な理由です
築年数が古い戸建ては、とくにその傾向が強いです。
省エネ性能の高い住宅を選ぶ・断熱リフォームを検討する・二重窓を設置するなど、光熱費を抑えるための対策を事前に考えておくことが、快適な暮らしと長期的な節約に繋がるでしょう。
生活動線の変化
多くのマンションは平面的な生活動線で完結するため、家事や移動がコンパクトです。
一方、2階・3階建ての戸建てでは、階段の上り下りが日常になり、家事の効率は下がるでしょう。
また、高齢になった際の移動の負担や、小さなお子様がいる家庭での安全面(階段からの転落など)を考慮した家選びが重要です。
近所付き合いの悩み
マンションの近所付き合いは、廊下で挨拶を交わす程度など、比較的希薄な場合が多いです。
戸建てに住むと、自治会や町内会への加入、地域の祭りやイベントへの参加、ご近所への配慮など、より深く地域社会と関わることが求められるケースが少なくありません。
可能であれば、引っ越し前にその地域のコミュニティの様子や、自分のライフスタイルに合った場所かどうかを調べることも大切です。
マンションから戸建てへの住み替えの流れ
住み替え資金の計画を立てる第一歩は、現在の住宅ローン残高を、マンション売却で得られる資金で賄えるか確認することです。
まず、住宅ローンを借り入れている金融機関で現在のローン残高を確かめましょう。
並行して、不動産会社に物件の査定を依頼し、売却の見込み額を把握します。
この査定額から、売却にかかる手数料や税金を差し引いた金額が、ローン残高を上回るならその資金で全額返済が可能です。
もし下回る場合は、不足分を自己資金で補うか、買い替えローンの利用を検討します。
次に、住み替えで購入する戸建ての資金計画を立てていきます。
「一戸建ての購入費用 + 購入時の諸経費」に対し、充てられる自己資金がいくらか、そして必要な融資額を見積もりましょう。
月々の返済可能額から逆算して、購入できる一戸建ての予算を割り出す方法も有効です。資金計画をしっかり立てて、無理のない物件選びを心がけましょう。
住み替えの際に知っておきたい「売り先行」と「買い先行」
マンションから戸建てへの住み替えを考える際、現在のマンションを「先に売るか」、それとも新しい戸建てを「先に買うか」という選択は、非常に重要です。
売り先行(売却を先に行う)
「売り先行」とは、現在のマンションを売却して、その代金を受け取ってから、新しい戸建ての購入を進める方法です。
メリット
- 資金計画が明確になる:マンションの売却価格が確定してから購入ができるので、資金計画を立てやすくなります。
- 二重ローンの心配がない:古いマンションのローンを完済してから新しい戸建てのローンを組むため、二つの住宅ローンを同時に返済する期間が発生しません。
注意点
- 仮住まいが必要になる可能性がある:マンションの引き渡しと新しい戸建ての入居のタイミングが合わない場合、一時的に賃貸住宅などを借りる「仮住まい」が必要になります。この仮住まいの家賃や、2回分の引っ越し費用が発生します。
買い先行(購入を先に行う)
「買い先行」とは、先に新しい戸建てを購入してから、現在のマンションの売却を進める方法です。
メリット
- 仮住まいが不要:新しい戸建てに入居してから、じっくりとマンションの売却を進められるため、仮住まいをする手間や費用が発生しません。引っ越しの負担も一度で済みます。
- マンションが売れやすい:住んでいたマンションは空き家にしてから売却活動ができるため、写真が撮りやすく、内覧対応もしやすいので売れやすいです。
注意点
- 二重ローンになるリスクがある:新しい戸建てのローンが始まり、古いマンションのローンも残っている期間が発生するため、一時的に二つの住宅ローンを同時に返済する経済的負担が生じます。
- 一定期間、2軒分の維持費が発生する:住宅ローンだけでなく、一定期間は家の維持費も2軒分発生します。
どちらを選ぶべき?
売り先行と買い先行のどちらを選ぶかは、ご自身の状況を踏まえて考えましょう。
売却物件に住宅ローンが残っている方や、売却資金が確定してから動きたい方は、基本的に売り先行が向いているといえます。
一方、住宅ローンを完済している方や、理想の物件が見つかったので他の人に買われる前に購入したいという方は、買い先行を選ぶとよいでしょう。
マンションから戸建てへの住み替えに適したタイミング
マンションから戸建てへの住み替えは大きな決断であり、最適なタイミングは人それぞれですが、いくつかの重要な要素を考慮しておきましょう。
家族構成・生活が変化するとき
子どもが成長して個室が必要になったり、小学校入学に合わせて学区の良い場所へ移りたいなど、家族の人数やライフスタイルが変化する時期は、住み替えの大きな動機です。
また、ガーデニングやペットを飼うなど、広い屋外スペースが欲しくなったり、リモートワークが増えて静かな環境が必要になったり、定年後の暮らしを見据えて都心から離れた場所に住みたいと考えたりするのも、住み替えのタイミングです。
建物の築年数が浅いうち
マンションの価値の下落は、木造戸建てよりはゆるやかで、仮に築10年なら、新築時の70%から80%の価値を持っています。
築25年になると、マンションの資産価値は約半分になる傾向があります。
築30年を超えると、内装や設備が古くなり売れにくくなります。また、マンションで大規模修繕がおこなわれた後は、修繕積立金が大きくなる傾向があるため、これも売れにくくなる要因です。
いずれ住み替えを検討するなら、マンションの価値が大きく下がっていない、築年数が浅いうちに売却を検討してみましょう。
住宅ローン控除を利用している場合、購入後10年以降
住宅ローン控除を利用している場合は、購入後10年経ってからの売却を検討しましょう。
住宅ローン控除は、基本的に10年で控除の期間が終わるため、全ての控除を受け終わってから売却を検討する人が多いです。
金利が低いとき
住み替えで新居を購入する際、住宅ローンを利用するなら、金利が低い時に契約できれば理想です。
住宅ローン金利が低ければ、毎月の返済額が少なくなるため、同じ予算でもより良い条件の戸建てを選べたり、総返済額を抑えられたりします。
金利が低い時期は、売却するマンションを購入する買主にとってもローン負担が軽くなるため、買い手が見つかりやすくなるという側面もあります。
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「早く現金化したい」「住み替えのスケジュールに合わせてほしい」など、ご希望に合わせて対応いたします。
築年数が古い、地方にある、設備が故障しているなど、一般的な仲介では買い手がつきにくい物件でも積極的に買い取ります。
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まとめ
マンションから戸建てへの住み替えは、音を気にしない自由な空間や資産価値の維持など、多くの魅力があります。
しかし、セキュリティや修繕費、生活動線の変化といった注意点も存在します。資金計画から売却・購入、引っ越しまで、全体像と「売り先行」「買い先行」といった方法、適切なタイミングを把握し、後悔のない住み替えを実現しましょう。