狭小地(きょうしょうち)は、一般的に15坪~20坪(約50㎡~66㎡)以下の土地を指します。
土地の狭さから、買い手にとって様々なデメリットが発生するため、一般的な物件より売却が難しいとされます。
本記事では、狭小地・狭小住宅が売れにくい理由や、それでも売りたい場合どこに相談すべきか、また狭小地でも売れやすい物件の特徴も解説します。
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狭小地・狭小住宅が生まれる理由
狭小地・狭小住宅が生まれた理由や背景を解説します。
不動産会社による区分
不動産会社が土地を取得した際、その土地が広い場合、買い手がつきにくくなることがあります。そのため、買い手がつきやすいように土地を区分したケースがあります。
近年は、法改正により、建物の建築に必要な最低面積の基準が緩和されていますが、それ以前は上記の理由で生まれた狭小地が存在します。
特に、都市部では土地の価格が高いため、少しでも多くの土地を販売するために狭小地を造成することがあります。
相続による土地分筆
以前は、兄弟姉妹間で土地を分割する場合、共有ではなく土地を分筆することによって、狭小地が発生するケースがありました。
先述したように、土地の分筆にも最低面積の基準が設けられたため、いまはこの理由で狭小地が生まれる可能性は低いです。
相続人が複数名いる場合、土地を分割してそれぞれの所有にすることがあります。
道路拡張や建物の建て替え
道路拡張や建物の建て替えなどにより、土地の一部が切り取られるケースがあります。
また、商業施設などの開発によって、一部の土地が狭小地となったケースもあるでしょう。
道路拡張によって既存の土地が削られる場合、残りの土地が狭小地になる可能性があります。
建物の建て替えによって、敷地の一部が余剰になる場合、その土地が狭小地になる可能性があります。
狭小地・狭小住宅が売れにくい理由
狭小地・狭小住宅が一般的に売れにくいとされる理由を解説します。
通常物件よりローンを組むのが難しい
金融機関は、それぞれ住宅ローンを組む条件を設けています。たとえば、土地面積◯◯㎡以上・住宅床面積◯◯㎡以上などです。
狭小地は、こういった金融機関の担保能力基準を満たしにくく、結果として住宅ローンの承認が下りにくいです。
買い手からしても、狭小地でも融資可能な金融機関を探す手間が発生するため、売れにくい傾向にあります。
フラット35が利用しにくい
狭小地は「フラット35」を利用できないケースが多いです。
フラット35を利用する条件の中には、一戸建ての住宅なら延べ床面積が70㎡以上という項目があります。
狭小地はこれを満たすことが難しく、土地によっては3階建ての住宅を建てる必要があるなど、制限が発生します。
フラット35の利用を考えている買い手からは、建てたい住宅の構想とフラット35の条件が合わず、購入されにくくなります。
建築工事がしにくく建築費用が高くなりやすい
狭小地は、建物の構造やデザインが制限されるため、建築費用が高くなりやすいです。
具体的には、狭い土地での設計には技術が必要であったり、足場の設置がしづらかったりということがあります。
建築費用が高くなるぶん、売却価格に上乗せされるため、結果的に売れにくくなりやすいです。
建築後は設備の修理コストが高くなりやすい
狭小地では、外に設置している設備に不具合が発生した際、作業スペースが狭く作業費が割高になるケースがあります。
また、外壁や屋根の修繕やメンテナンスも、同様の理由で割高になる可能性があります。
特殊な間取りがライフスタイルと合わない
狭小地の住宅では、以下のような間取りになるケースがあります。
- 玄関から出るとすぐ道路がある
- 駐車場・駐輪場のスペースがない、または狭い
- 部屋が狭かったり、変わった形状になったりしている
このような間取りが買い手の希望と合わず、購入を敬遠される可能性があります。
隣地との距離が近くなりやすい
狭い土地をできる限り有効活用しようとすると、隣の家との距離がかなり近くなるケースがあります。
生活音・視線などでトラブルになる可能性がないとはいえません。そのため、隣の家と窓の位置をずらしたり、防音性を高めるといった設計の配慮が必要になります。
そもそも、隣の家と近すぎる状況が嫌な方もいるため、通常の土地よりは売れにくくなるでしょう。
駐車場が作りにくい
狭小地は駐車場のスペースが確保しにくくなります。家の広さと駐車場のスペースを確保するためには、
- 1階をビルトインガレージにする
- 車を道路に対して並列に停める駐車場にする
などの工夫が求められるため、買い手がイメージする住宅に合わない可能性が出てきます。
土地が狭いということでさまざまな制限が生まれるんですね…
そのような物件を売る方法とそれぞれの特徴を見ていきましょう。
狭小地を売却する方法
狭小地を売却したい場合、どこに相談するとよいか、またそれぞれの特徴を解説します。
不動産会社の仲介
不動産会社による仲介を検討する場合、複数の業者に相談して比較検討することをおすすめします。
それは、エリアに強い地場の不動産や、狭小地に強い不動産など、さまざまな業者があるためです。
狭小地は相場より査定相場が低くなりやすいですが、不動産ならではのノウハウや販路によって、相場より高い査定が出る可能性もあります。
仲介で売れない場合は?
査定価格が高くても売れなければ意味がありません。 不動産会社の仲介でなかなか売れない場合は、以下のことを検討してみましょう。
- 売却価格を下げる
価格があえば狭小地でも購入を検討する人が出てくるかもしれません。また、売れない間に、そのエリアの土地や住宅の適正価格が変動している可能性もあります。 - 不動産会社を変更する 不動産会社によって、土地や不動産の売却のノウハウにも差があるほか、狭小地・狭小住宅の活用や売却のノウハウが異なります。
買取業者に相談する
狭小地・狭小住宅の売却に、不動産の買取業者を利用する方法もあります。
買取業者は、仲介業者と異なり、土地や住宅を直接買い取り、自社での活用やリフォーム・再販をおこないます。
買取業者では仲介手数料がかからず、契約不適合責任に問われる心配もありません。
買取業者がリフォームや整地などをおこなうための費用が考慮されるため、相場より売却価格が安くなりますが、入金までのスピードが早いため、短期間で売却できるメリットもあります。
隣接地の所有者に相談する
エリアや周辺状況によっては、隣接地の所有者に買い取ってもらう選択肢もあります。
隣接地の所有者からすれば、たとえ狭小地でも隣の土地を購入して面積が増えることで、土地の価値が上昇するケースがあります。
とくに、隣接地が再建築不可物件の場合は、狭小地を購入することで建物の建て替えが可能になる可能性があるため、非常に魅力的な話となります。
個人間の売買のやりとりに不安がある場合は、専門家に間に入ってもらうとよいでしょう。
狭小地でも売れやすい物件の特徴
狭小地でも売れやすい物件の特徴を解説します。
周辺の地価が高い
人気があり地価が高いエリアでは、狭小地・狭小住宅でも比較的売却しやすくなります。
土地が狭いぶん、土地購入費が相場より安くなりますし、固定資産税も他の住宅より安くなりやすいためです。
土地の利便性が高い
狭小地・狭小住宅は、どちらかというと都心部に多い物件です。そのため、以下のように利便性が高い傾向にあります。
- 公共交通機関が豊富
- コンビニやスーパー、商業施設が近くにある
- 病院・クリニックに通いやすい
- 通勤や通学に便利
狭小地のデメリットより、利便性のメリットが上回ると感じた買い手には、売却しやすいでしょう。
土地に制限が少ない
建築物の高さ制限が無く、3階建てにできるなど、制限が少ない場合は比較的売却しやすいでしょう。
狭小住宅の窮屈感も、制限が少ない土地なら屋上を作ったり吹き抜けにしたりすることで改善できます。
リフォーム済みの物件
狭小住宅を売却する際、リフォームをおこなうと売れる可能性が高まります。買い手がリフォームの費用や手間を考慮する必要がなくなるためです。
とくに、築年数が古く、本来は屋根・壁・水回りなどの修繕を考慮する必要がある住宅なら、それらの負担がないことは購入者にとって魅力的です。
ただし、リフォーム費用が高くなると、売却利益が少なくなるため、バランスを考慮して適切な工事を検討しましょう。
狭小地は活用の選択肢もある
狭小地・狭小住宅でも、立地を考慮して収益性が見込める場合は、売却ではなく活用する選択肢もあります。
たとえば駐車場・賃貸住宅やオフィス・自動販売機・キッチンカーなどの選択肢があります。 狭小地の活用方法は、下記の記事で詳しく解説していますので、こちらもぜひご覧ください。
まとめ
本記事のまとめです。
- 狭小地・狭小住宅は不動産会社による区分・相続時の分筆・開発などの要因で生まれた
- 狭小地は買い手にとっての制限が生まれるため、通常の物件より売りにくい
- 狭小地を売却するためには不動産仲介・買取業者・隣接地の所有者へ相談してみよう
- エリアによっては狭小地の活用も選択肢となる
狭小地・狭小住宅を少しでも高く売却するため、エリアの特徴を調査し、狭小地・狭小住宅に強い不動産業者や買取業者に相談することが大切です。
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