実家の相続などで空き家を所有することになったとき、「いつかは手放したいけれど、何から手をつけていいか分からない」と悩む方はとても多いです。
不動産の売却は人生で何度も経験することではないため、分からないことが多くて不安に感じるのも当然のことと思います。
大切なご実家を手放す際に、後から「こんなはずじゃなかった」と後悔したり、思わぬトラブルを抱えたりしないためには、あらかじめいくつかの注意点を知っておくことが大切です。
この記事では、空き家を相続した方や、これから相続する予定の方に向けて、以下の内容を分かりやすく解説していきます。
- 空き家を売却する前に気をつけておきたいポイント
- 売却した後に注意すべき税金や契約上のルール
- 仲介業者と買取業者はどちらに相談するべきか
売却活動を進めるためのヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。
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空き家を売却する前の注意点
まずは、実際に空き家を売りに出す「前」に確認しておきたい重要なポイントを解説します。
名義変更(相続登記)をしておく
空き家を相続して売却する場合、売る本人が登記上の名義人になっていることが条件になります。
亡くなった親御さんの名義のままだったり、ご兄弟など複数人の共有名義になっていたりすると、すぐに売買契約を結ぶことができません。
なお、2024年(令和6年)4月より、不動産を相続した際の名義変更(相続登記)は法律で義務化されており、期限内に手続きをおこなわないと過料の対象になる場合があります。名義変更が終わっていない場合は、司法書士などの専門家に早めに相談して手続きを進めておくことをおすすめします。

もし「名義変更の手続きが難しくて進まない…」とお悩みの場合は、登記から売却までサポートしてくれる不動産会社へ相談するのも一つの手やで。
境界の確認
不動産を売る際には「自分の土地がどこからどこまでなのか」という境界線を明確にしておくことが原則となります。
境界が曖昧なままだと、購入する側が後からお隣とトラブルになることを心配してしまい、売却がスムーズに進みにくくなります。
境界を確認するおもな方法は以下の3つです。
- 法務局で「地積測量図」や「公図」を取得し、土地の境界線を調べる
- 現地でコンクリートなどの「境界標」を探して調べる
- 土地家屋調査士などの専門家に依頼して正確に測量してもらう
比較的新しい測量図であれば境界が分かりやすいですが、昭和50年(1975年)ごろより古い測量図の場合、現況とズレていて正確な境界が分からないことが少なくありません。その場合は、専門家に依頼して隣地の方と立ち会いのもと境界を決める手続きが必要になることがあります。
抵当権抹消登記の確認
物件に「抵当権」が設定されたままになっていないかを確認しましょう。
住宅ローンを借りる際に、金融機関がその物件に対して設定する「担保」の権利のことです。
万が一ローンの返済が滞った場合、金融機関はこの権利を使って物件を競売にかけ、残りのローンを回収することができます。
住宅ローンを完済していても、自分で法務局へ申請しない限り、登記簿上の抵当権は自動的には消えません。
住抵当権が残ったままの物件は、いつ金融機関に差し押さえられるか分からない状態のため、買主様は安心して購入することができません。もし残っている場合は、名義変更と一緒に司法書士へ「抹消登記」を依頼して消しておきましょう。
用意できる書類は集めておく
不動産会社へ売却の相談に行く前に、実家にある以下の書類を探しておくと話がスムーズに進みやすくなります。
- 登記済権利証(権利書)または 登記識別情報通知
- 固定資産税の納税通知書(毎年春頃に届くもの)
- 建物の図面や建築時のパンフレット
- 過去にリフォームをおこなった時の契約書や図面
もしこれらの書類が見つからなくても売却自体は可能ですが、建物の価値を正確に伝えるためにも、あると心強い資料になります。
自己判断でリフォームしない
「古い家だから、きれいにリフォームした方が高く売れそう」と考える方も多いですが、売主様ご自身での判断によるリフォームは少し慎重にご検討ください。
なぜなら、数百万かけてリフォームをしたからといって、その分だけ確実に高く売れる(費用を回収できる)という保証はないからです。
購入される方の中には「古くても安く買って、自分好みにDIYやリノベーションをしたい」と考える方も増えています。まずは現状のまま不動産会社に相談し、必要最小限の修繕で済ませるか、そのまま売り出すかを相談して決めるのが安心です。
自己判断で解体しない
解体も、リフォームと同様に注意が必要です。
「更地にした方が売れやすいだろう」と自己判断で解体してしまうと、解体費用(一般的に100万〜300万円程度)が大きな負担になります。
さらに、建物を壊して更地にすると、土地に対する固定資産税の減額特例が外れてしまい、翌年からの固定資産税が実質的に跳ね上がってしまうことになります。
さ「解体したのに売れず、高い税金だけを払い続ける」という事態を避けるためにも、解体するかどうかの判断は不動産業者と相談しながら進めることをおすすめします。
売却を相談する業者について調べる
空き家を売却する際、不動産会社へ依頼する方法は主に「仲介」と「買取」の2種類があります。
ご自身のご事情や物件の状態に合わせて、どちらが適しているかを検討してみてください。
1. 仲介業者に依頼する(一般の個人の方へ売る)
2. 買取業者に依頼する(不動産会社に直接買い取ってもらう)
自分で相場を調べておく
不動産会社へ相談へ行く前に、ご自身で大まかな相場感を持っておくことも大切です。
相場を全く知らないと、提示された査定額が適正なのかどうか判断が難しくなってしまいます。
一方で、「これくらいで売りたい」という希望価格が高すぎると、いつまで経っても売れ残ってしまう原因になります。
インターネットを使って、ご近所の物件がいくらぐらいで取引されているのかを軽く調べてみましょう。
不動産ポータルサイト(SUUMOやLIFULL HOME’Sなど)を見る
現在売りに出されている周辺の似たような物件の価格を確認できます。
ただし、ここに載っている金額はあくまで「売り出し価格」であり、実際の取引では値引き交渉が入って少し安い価格(成約価格)で落ち着くことも多い、という点は頭の片隅に置いておいてください。
国土交通省の「土地総合情報システム」を見る
国が提供しているサイトで、実際に過去に取引された「成約価格」のデータを見ることができます。
もしご自身のエリアの情報が少ない場合は、少し範囲を広げて近隣の町のデータを参考に、「自分の実家はここより少し駅から遠いから、もう少し控えめな価格になるかな」といった形で大まかな感覚を掴んでみてください。
空き家を売却した後の注意点

無事に売買契約が終わった後にも、いくつか気をつけておきたいポイントがあります。
特に「契約後の責任」と「税金」については、後から慌てないように確認しておきましょう。
契約不適合責任(引き渡し後の責任)について
仲介業者を通じて一般の個人の方へ空き家を売却した場合、「契約不適合責任」というルールに注意が必要です。
これは、物件を引き渡した後に、契約書に書いていなかった「雨漏り」「シロアリ被害」「建物の傾き」などの欠陥が見つかった場合、売主様が責任を負わなければならないという民法上の決まりです。具体的には、以下のような対応を求められる可能性があります。
- 欠陥部分の修繕費用を負担する(修補請求)
- 欠陥の度合いに応じて売却代金を減額・返金する(代金減額請求)
- 買主が被った損害を賠償する(損害賠償請求)
- 契約自体を解除されてしまう(契約解除)
古い空き家の場合、売主様ご自身も気づいていない隠れた欠陥があるケースが非常に多いです。
もしこの責任を負うのが心配な場合は、買取業者に直接買い取ってもらう方法(業者買取)を選ぶと、この「契約不適合責任」が免除されるため、売却後の精神的な負担を大きく減らすことができます。
購入時の価格(取得費)が分からないと税金が高くなることがある
不動産を売って利益(譲渡所得)が出た場合、その利益に対して「譲渡所得税」という税金がかかります。
譲渡所得税の基本的な計算方法
譲渡所得(利益) = 売却価格 – 取得費(親がその家を買った時の価格など) – 譲渡費用(仲介手数料や測量費など)
譲渡所得税 = 譲渡所得(利益) × 税率(所有期間により約20%または約40%)
ここで注意が必要なのが、昔からある実家の場合、「親がいくらで買ったか分からない(契約書が残っていない)」というケースが非常に多い点です。
取得費が不明な場合、法律上のルールで「売却価格の5%」を取得費として計算しなければなりません。
取得費:500万円
譲渡所得税:(800万 – 500万) × 約20% = 約60万円
取得費:不明 → 800万円 × 5% = 40万円
譲渡所得税:(800万 – 40万) × 約20% = 約152万円
このように、当時の購入価格が証明できないと、経費として差し引ける金額が少なくなるため、税金が高く計算されてしまいます。
契約書が見当たらなくても、当時の通帳の引き落とし記録や住宅ローンの資料などがあれば取得費として認められることがあるため、税理士などの専門家に一度相談してみることをおすすめします。
空き家特例を使えば3,000万円まで非課税になるが、期限がある
先ほど「税金が高くなることがある」とお伝えしましたが、実は相続した古い空き家を売る場合、一定の条件を満たせば税金を大幅に減らせる強力な特例があります。
それが「相続空き家の3,000万円特別控除(空き家特例)」です。
この特例を使えば、売却して得た利益から最大3,000万円を差し引くことができるため、一般的な実家の売却であれば税金が0円になるケースがほとんどです。
※なお、2024年の法改正により、特例を使う相続人が3人以上いる場合は、1人あたりの控除上限が「2,000万円」となります。
とてもお得な制度ですが、この特例を使うためには「相続が開始した日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する」という厳格な期限があります。
「いつか売ろう」と放置している間に3年が過ぎてしまうと、払わなくてよかったはずの税金を数百万円単位で払うことになってしまいます。空き家を相続した場合は、この「3年の期限」を意識して、少しずつご家族で方針を話し合ってみてください。
空き家売却の注意点に関するよくある質問
Q. 実家の中に家具や不用品が大量に残っていますが、売却前に自分で片付けるべきですか?
A. 仲介で一般の方に売却する場合は、空っぽの状態に片付けることを求められるのが一般的です。しかし、専門の買取業者に売却する場合は、家具や荷物が残ったままの「現状渡し」で買い取ってくれるケースも多いため、ご自身で費用や手間をかけて遺品整理などをおこなう必要はありません。
Q. 空き家特例(3,000万円控除)を使いたい場合、家を解体しないとダメですか?
A. 以前は売主側で解体や耐震リフォームをする必要がありましたが、2024年1月からはルールが緩和され、「現状の古い建物のまま引き渡し、買った人(買主)が翌年2月15日までに解体や耐震工事をおこなう」という形でも特例が使えるようになりました。これにより、売主様は解体費用の持ち出しなしで特例を使いやすくなっています。
まとめ
この記事のポイントのまとめです。
- 事前の準備:名義変更や境界の確認が必要。リフォームや解体は自己判断せずプロに相談する。
- 売却方法の選択:高く売るなら「仲介」、早く手間なく売るなら「買取」が適している。
- 売却後のルール:引き渡し後の欠陥トラブル(契約不適合責任)や、税金の計算方法・特例の期限(相続から約3年以内)に注意する。
これらの注意点を少しずつ確認しながら、ご自身やご家族にとって一番負担の少ない売却方法を見つけてみてください。
「現状のまま手間なく手放したい」とお考えなら、当社へご相談ください
私たち「ハウスプロデュース」は、関西エリアを中心に、使わなくなった空き家の直接買取を積極的におこなっています。
当社が直接買主となりますので、お客様にとってご負担となる以下の手間や費用を減らすことができます。
- 室内の片付け・解体は不要です
家具や荷物が残ったまま、あるいは建物が古くて傷んだ状態でも、現状のままで買い取ります。 - 売却後の責任(契約不適合責任)は免除されます
引き渡し後に雨漏りなどの不具合が見つかっても、お客様に修理代などを請求することはありません。 - 仲介手数料がかかりません
直接買取ですので、売買成立時の余計な手数料を引かれることなく、スピーディーに現金化が可能です。
「再建築不可」「狭小地」「旗竿地」など、一般的には売れにくいとされる物件でも、自社の再生ノウハウを活かして買取できるケースが多数ございます。
「まずは大体の価値を知っておきたい」「まだ名義変更も終わっていないけれど相談できる?」といった段階でも大歓迎です。ご相談や査定は完全無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

大切なご実家の売却に関するお悩み、どんなことでも丁寧にサポートいたします。お気軽にご相談くださいね。




