親が亡くなり、実家を相続する場合、誰も住まない空き家になったとしても、相続人(空き家の所有者になった人)には適切な清掃・補修などの管理義務や、固定資産税を納める義務が発生します。
空き家の状態が悪い場合や、亡くなった親に負債があった場合などは、相続放棄を検討するケースもあることと思います。 本記事では、空き家を相続した場合の管理義務や、空き家を相続放棄した場合のメリット・デメリットについて解説します。
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空き家は相続放棄できる?
結論からいうと、空き家を相続したくない場合は相続放棄できます。 ただし、相続放棄では、借金や負債などのマイナス資産もプラスの資産も含めて「すべての遺産」を放棄します。
そのため、預貯金などプラスの資産よりも、状態や立地がよくない空き家のマイナスが大きいと判断した場合に、相続放棄となるケースが多いでしょう。
空き家を相続放棄するメリット
空き家を相続放棄するメリットを解説します。
不要な財産を放棄できる
相続放棄することで、扱いに困る空き家含めてすべての財産を放棄できます。
居住や活用する予定がない空き家は、不要な財産となる可能性があります。相続放棄することで、後から対応に追われることがなくなります。
固定資産税の支払いが不要になる
空き家を相続放棄することで、固定資産税の支払いがなくなります。
誰も住まず活用も難しい空き家でも、年間で数万円の固定資産税がかかります。それが懸念材料となる場合は相続放棄するのも1つの選択肢です。
空き家を売却・活用できるか心配しなくてよくなる
空き家を相続放棄すれば、売却・活用・処分がうまくいくかという心理的な不安からも解放されます。
とくに空き家が地方にある場合は売れ残るリスクが高いため、その間固定資産税や管理費用の支払いが続くことが心理的な負担になる可能性があります。
そのような不安がなくなることもメリットといえるでしょう。
空き家を相続放棄しても管理を続けないといけない?
相続人が自ら居住していない実家を相続放棄する場合、管理義務は生じません。
2023年4月の法改正後は、相続放棄をした後に管理責任が生じるのは「現に占有している」者に限定されました。「現に占有している」者とは、その家に実際に住んでいる人や、荷物を大量に置いている人を指します。
たとえば、地方から東京や大阪に出て暮らしている人が、地方の実家を相続放棄しても、管理責任を問われなくなりました。
逆にいえば、実家に住んでいる人や、空き家となった実家に荷物を大量に置いている人には、財産として管理する義務が生じます。
相続人が全員、空き家を相続放棄したら?
相続人が全員相続放棄する場合は、家庭裁判所に「相続財産清算人」の選任を申し立てる必要があります。
※相続財産清算人:本来の相続人に代わって財産を管理する人。弁護士や司法書士が選任されやすい。亡くなった人に債務があれば、返済したのち残りの財産を国庫に帰属させるなどの手続きを行う。
相続財産清算人の選任について詳しくは、最高裁判所のウェブサイトを参照ください。
相続財産清算人の選任にかかる費用
相続財産清算人を選任する際にかかる費用について解説します。
申し込み費用
- 収入印紙代:800円
- 郵便切手:2,000円程度
- 官報公告料:5,000円程度
専門家への報酬
相続財産清算人への報酬として、月に1万円から5万円がかかります。 財産管理にかかる手続きの量などによって、月毎の報酬額が変動します。
予納金
相続財産清算人の報酬や管理費用の財源として、原則として予納金の納付が必要です。
案件ごとに予納金の額は異なりますが、基本的に100万円以下となるケースが多いです。財産の中で預・貯金が多い場合は、予納金は低額になる傾向があります。
空き家の相続放棄をする際に気をつけたいこと
空き家の相続放棄を検討する際、気を付けるべきことがあります。 トラブルや想定外の事態を防ぐためにも注意点を把握しておきましょう。
預貯金などプラスの財産もすべて相続できなくなる
冒頭で触れたように、相続放棄をする場合は預貯金などプラスの財産もすべて相続できなくなります。
一般的に、プラスの財産とマイナスの財産を比較し、亡くなった人に借金があった場合など、明らかにマイナスが大きい場合に相続放棄を検討することになります。
他に相続人がいる場合、相続放棄する旨を伝えておく
自分以外に相続人がいる場合は、空き家を相続放棄したい旨と、期限は相続開始を知った日から3カ月以内であることを共有しておきましょう。
相続放棄は、遺産の分割協議と異なり、ほかの相続人の合意を得る必要はなく、黙っていても法的には問題ありません。
しかし、相続権が移った人が突然、空き家の相続人になっていることを知れば、困惑しかねません。また、亡くなった人に負債がある場合などはトラブルになりかねません。
不要なトラブルを避けるためにも、他に相続人がいる場合は、相続放棄することを伝えましょう。
相続権移行の順位
法定相続人の範囲と順位は以下のとおりです。
亡くなった人の配偶者は、常に相続人です。配偶者以外では、亡くなった人の子ども→父母・祖父母→兄弟姉妹と移行します。
古い空き家や負債など、負の財産の相続権が移ることで親族間のトラブルになる可能性があります。繰り返しになりますが、自分以外に相続人がいる場合は、相続放棄する旨を伝えておきましょう。
手続きに3カ月の期限があり、早く決めないといけない
相続放棄の手続きの期限は、自分が財産を相続できることを知った日から3カ月以内であるため、早く手続きをする必要があります。
万が一、3カ月以内に財産の内訳が把握できないなどの事情がある場合は、家庭裁判所に申し立てすることで期限を延長できます。
相続放棄の手続きをするために用意する書類の取得に時間がかかる可能性があるため、早めに手続きを進めましょう。
手続きが一定のところまで進むと、撤回は難しい
相続放棄の手続きが、家庭裁判所にて受理されると、その後の撤回は基本的にできません。 相続放棄の取り消しが認められるのは、以下のような限定的なケースになります。
- 未成年者が法定代理人の同意を得ずに相続放棄した場合
- 亡くなった人に多額の財産または借金があることを知らなかった場合
- 詐欺や脅迫によって相続放棄をした場合
相続放棄するか悩む場合は弁護士に相談
相続放棄をするかどうかで悩んでいる場合や、相続放棄に関するトラブルが懸念される場合は、弁護士への相談を検討しましょう。
上記のように、相続放棄に関してさまざまな面からサポートしてくれます。
- 相続財産に債務があった場合の債権者とのトラブルを防ぐ
- 相続人どうしのトラブルの際に間に入り、法律に従って解決に向けた対応をしてくれる
- 「相続放棄を知った日から3カ月」という手続きの期限について、開始日がいつなのか揉めないよう手続きを進める
- 相続放棄の3カ月の期限が迫っている場合、家庭裁判所への申し立てをサポートしてくれる
- 相続放棄の期限が過ぎた後に「亡くなった人に債務があることを後から知った」場合に、相続放棄が認められるよう家庭裁判所へ説明する対応をしてくれる
空き家の相続放棄は、相続財産を把握し慎重な判断を
相続で後悔を生まず、慎重な判断を下すためには、まずは相続財産をきっちり洗い出すことが大切です。
そのうえですべての相続財産を分析し、マイナスが多ければ相続放棄をすることで費用面の負担の発生を避けられます。
もしも相続関連でトラブルが発生してしまった場合は、相続に詳しい法律事務所へ相談することをおすすめします。
空き家の売却を検討する場合は当社まで
相続放棄は「財産をすべて放棄」しなければならないため、亡くなった方に負債がなければ、相続してから活用や売却を検討するケースもあることと思います。
そのような場合は、ぜひ「お困り空き家買取くん」へご相談ください。関西エリアを中心に、空き家の買取を強化しております。
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