「実家の空き家を相続で引き継いだものの、売れなくて困っている」
このようなお悩みを抱えている方が増えています。
とくに、築年数が古い場合や利便性が低い場合は、なかなか簡単には売れないでしょう。
しかし、買い手がつかない空き家でも、売れない場合の原因を把握したうえで行動すれば、売却の可能性を上げることができます。
売れにくい空き家の特徴や、対策方法と売却の際の注意点まで詳しく解説していきます。
実家の空き家が売れない理由
ここからは、空き家がどのような理由で売れないのか解説します。
利便性が低い地域にある
田舎暮らしに関心がある人が増えていますが、多くの人は利便性の高い地域を好む傾向にあります。このため、田舎や郊外など利便性が低い地域にある空き家は、都会や利便性の高い地域と比べて売れにくい傾向があります。
人口減少・高齢化が進んだ地域
地方や田舎では人口減少や高齢化が進み、住宅需要が低くなっています。
そういった地域では駅から遠い・バス路線が少ないなど、交通の便が悪く買い手が敬遠する可能性が高くなります。
周辺環境が悪い。
騒音や振動が多い・ゴミが多い・治安が悪いなど、周辺環境が悪い場所は住環境として魅力が低くなります。
また、日当たり・風通し・窓からの眺めが悪い場合などもマイナスポイントとなります。
築年数が古い
築年数が古い家は、老朽化による耐震性の低下が懸念されます。
地震が多い日本では、安全性に対する信用が求められる傾向があり、古い物件は競争力を失いやすいです。
そのままの状態で売りに出す場合、購入者がリフォームや修繕の費用を考慮する必要があります。
使い勝手が悪い
リクルートが2021年12月に公表した「『住宅購入・建築検討者』調査」では、新居を探している人が元の住まいに感じている課題として「収納が狭い」「間取りが良くない」「住戸が狭い」などが上位にランキングしています。
こういったデータからも、使い勝手が悪い間取りの空き家は売れにくくなることが伺えます。
広すぎる・狭すぎる
広すぎる家は維持費が高く、狭すぎる家は生活に不便であるため、買い手の家族構成やライフスタイルに合わない可能性が高くなります。
間取りが買い手の希望に合わない
日当たりが悪い・使い勝手が悪いなど、買い手のニーズに合わない間取りの家は敬遠されやすくなります。
また、間取りとは異なりますが、駐車場がない・狭い場合はマイカー所有者にとって魅力が減ってしまうでしょう。
価格設定が高い
すでに売りに出している空き家が売れない場合は、そもそも価格設定が高い可能性があります。
相場からかけ離れた価格で売り出せば、当然、買い手はつきにくくなります。少しでも高く家や空き家を売りたいと思うのは当然ですが、不動産会社に相談するなどして、適切な価格を設定することが重要です。
再建築不可物件になっている
再建築不可※物件の空き家も売却が売れにくくなります。おもな理由は以下のとおりです。
法律によって建て替えが制限されている土地
- 築年数が古いものが多く、買い手が修繕費用を検討しなければならないケースがある。
- 仮に老朽化や地震などで倒壊した場合、建て替えができないのでその土地で暮らせなくなる。
- 再建築不可物件は金融機関の担保評価が低く、買い手が住宅ローンを利用できない可能性がある。
- 上記の理由から市場価値が低く、投資家の手も伸びにくい。
市街化調整区域内に家がある
市街化調整区域に空き家がある場合は、建て替えに自治体の許可が必要になります。
都市計画法により開発が制限され、基本的に住宅を新しく建てられない地域。
しかし、そもそも市街化調整区域は開発を制限されているため、基本的に許可がおりにくいです。
建て替えが自由にできないため、他の地域の空き家と比べて売れにくくなります。
売却活動が不十分
日本で空き家を売ることは、そもそも難易度が高い取り組みです。立地によっては、積極的な売却活動が必要になる可能性があります。
たとえば空き家バンクは無料で登録できるため利用しやすいですが、宣伝活動はしにくく、国土交通省のデータでは成約率は約20%となっています。
空き家バンクやマッチングサイトに掲載しても、需要がないエリアでは売れにくい傾向にあるため、空き家があるエリアに強い不動産や買取業者への相談も検討すべきでしょう。
空き家が売れなくても放置するのは危険
空き家が売れないと売却活動へのモチベーションが下がってしまう可能性がありますが、それでも放置することは危険です。
ここではその理由を解説していきます。
住んでいなくても固定資産税がかかる
空き家となった家に居住する予定がなくても、空き家を所有している限り固定資産税の支払いが課されます。
使用していない空き家に対して、年に数万円の支払いが発生するのは、もったいないことです。
もったいない精神
管理に時間もお金もかかる
空き家は老朽化が進みやすく、倒壊リスクが高まっていきます。また、放置していると草木が伸びたり景観が悪くなったりして、近隣に迷惑をかけてしまう可能性があります。
そのため、所有者には定期的な草刈りや清掃、害虫駆除などの管理の責任がともなううえ、時間とお金がかかります。
空き家が遠方にある場合、さらに面倒です
放置すると特定空き家に指定される可能性がある
空き家を放置し続けると、自治体から「特定空き家」に指定される可能性があります。
特定空き家とは、倒壊の危険性が高い空き家や、衛生上の問題がある空き家などのことです。
特定空き家に指定されると、所有者は固定資産税の特例が受けられなくなり、負担が増加するなどのペナルティが課されます。
特定空き家に指定されてしまうと、固定資産税が最大6倍になることもあります。
空き家が売れない場合の対応
ここからは、空き家が売れない・これから売りに出そうと考えている場合の対応策を解説していきます。
空き家バンクに登録する
空き家バンクとは、自治体が運営する空き家のマッチングサイトのことです。空き家の売り手は無料で物件情報を登録できます。
空き家バンクを利用して、不動産会社のサイトや仲介では見つからないような掘り出し物の物件を探している人が一定数いますので、うまくいけば売却できるでしょう。
ただし、空き家バンクに登録するだけでは買い手が見つかる可能性は高くありませんので、登録後も他の売却・処分の方法も継続して探すべきだといえます。
国の制度を利用して引き取ってもらう
2023年4月27日に施行された「相続土地国庫帰属制度」によって、相続や遺贈によって取得した土地を、国が引き取る制度が始まりました。
売却しにくい土地でも引き取ってもらえるため、空き家がどうしても売れない場合の選択肢となるでしょう。
しかし、引き取りには条件を満たす必要があります。さらに、引き取り対象は土地のみなので、空き家を自費で解体する必要があるほか、10年分の管理費用の負担も発生します。
すでに売りに出している場合は価格を下げる
2024年1月の首都圏の中古住宅データでは、中古住宅の新規登録価格の平均は4,337万円・成約価格の平均は3,803万円となっています。
つまり、中古住宅を売りたい人が希望する価格と、実際に売れる価格には10%から20%近い隔たりがあるということです。
売れない空き家を売るためには、大幅な値下げを覚悟する必要があるといえます。
※上記のデータは首都圏かつ価値がついている中古住宅の数値であり、地域や築年数によって成約価格の相場は異なります。
必要最小限のリフォームをして売却する
空き家が古くなっていることが売れない理由として考えられる場合は、必要な部分のリフォームをおこなうことで、売れやすくなる可能性があります。
「必要な部分」とは、外壁の補修、壁紙の張り替え、水回りの交換などです。
注意したいのは、売主判断での全面リフォームは売れ残った場合のリスクが大きいことです。
また、売主好みのリフォームが買い手のニーズに合わず、かえって売りにくくなるケースもあります。
どの程度のリフォームをおこなうべきか、不動産会社によく相談してから判断しましょう
別の不動産に相談してみる
不動産会社は、それぞれノウハウや地域的な強みが異なります。そのため、不動産会社に相談している空き家が売れない場合、会社を変えてみる方法もあります。
たとえば、築年数が古い空き家の場合は、古民家に強い不動産会社に相談することで売却の確率が上がる可能性があります。
また、古民家をリフォームして住む需要もありますので、リフォーム工事に対応できる工務店系の不動産会社に相談する手もあります。
不動産会社との契約内容によっては、最大3カ月は他の不動産会社に相談できない場合がありますので注意しましょう。
空き家の買取業者へ直接売却する
不動産仲介業者へ相談し、買い手を探してもらう方法もありますが、買取をおこなう業者へ直接売るという方法もあります。
買取業者は、空き家を買い取ってからリフォームや解体をおこない、物件の価値を高めてから再販売しています。
リフォームや解体の費用は買取業者が負担するため、そのぶん買取価格が低くなりますが、売り手は事前に自費でリフォームや解体をせずに済みます。また、不用品もそのまま引き取ってもらえる業者もあります。
「費用をかけずに空き家を売却したい方」
「とにかく空き家を手放してしまいたい方」
におすすめの方法です。
売れない空き家を処分する際の注意点
売れない空き家を処分する際の注意点について説明します。
解体しても売れるとは限らない
空き家が売れない場合、解体して更地にしてから売却する方法があります。
しかし、解体費用は百万円以上かかる場合があるほか、解体しても土地の形状や立地によっては売却が難航することもあります。
また、解体後の更地は固定資産税が土地のみの評価額となるため、空き家が建っていた時よりも税負担が増加する可能性があります。
売却前の解体の判断は慎重におこなうべきです
売主判断の全面リフォームはリスクがある
売れない空き家を売却するために、全面リフォームをおこなうケースがあります。
しかし、リフォーム費用が高額になる場合があるうえ、そもそも立地が良くなければ売却できる保証はありません。
また、買い手のニーズに合ったリフォームをおこなわないと、かえって売却しにくくなる可能性もあります。
解体と同様、売り手判断のリフォームはリスクをともなうことを覚えておきましょう。
リフォームをおこなう場合は必要な部分だけなど、慎重に判断しましょう
国や自治体が引き取ってくれるケースはほぼない
空き家を手放す方法として国の制度を紹介しましたが、実際には管理に費用や手間がかかる土地の場合は、審査が通らない可能性があります。
「管理の手間」とは、たとえば勾配や高い崖がある場合や、除去しなければならない物体が土地に残っているなどです。
申請すれば引き取ってもらえるというわけではない点に注意が必要です
空き家だけを相続放棄はできない
相続放棄は、遺産をすべて放棄する行為となります。ほかの財産を取得し、空き家のみを相続放棄することはできません。
活用の判断は慎重にすべきである
空き家の活用を検討する方も多いですが、以下の点を考慮し、慎重に判断しましょう。
- 売却したほうがメリットがあるかどうか
- 解体・リフォームしてから活用を検討する場合、本当に後々の利益が大きくなりそうか
- 固定資産税は空き家が建っていた時よりどれくらい増加するか
知識が乏しい状態での不動産活用はリスクが伴います。専門家に相談することも考慮すべきでしょう。
まとめ
本記事のまとめです。
- 空き家は、売却が難しい場合が多い
- 空き家の所有者は放置せず管理する責任がある
- 売却活動を進めることで手放せる確率が上がる
- 自己判断でのリフォームや解体はリスクをともなうため、専門家への相談が推奨される
実家が空き家になった場合、思い入れや売却の難しさなどから手放せずにいる方もいるかと思います。しかし、管理の時間や費用を考慮すると、早めに売却活動を進めるべきでしょう。
売れない実家の空き家はご相談ください
ハウスプロデュースは、関西エリアを中心に、お困りの空き家の相談・買取査定を承っております。 下記のようなお悩みをお持ちの方は、当社までぜひご相談ください。
- 不動産会社に相談したけど買い取ってもらえない
- 空き家の管理に時間もお金もかかる
- 空き家を物件掲載サイトに載せたけど売れない
- 思い入れのある実家なので、売却だけでなく活用も視野に入れている
当社は状態が悪い空き家でも、付加価値を付けて再販売するノウハウを保有していますので、そのぶん買取価格に還元できるよう尽力します。
また、リフォーム・解体にも対応可能ですので「そもそも空き家をどう扱っていいかわからない」というご相談だけでも大歓迎です。
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